馬の様な

男に遭遇。


今日はまたしても寝るタイミングを失っていたので
ちいっとも嬉しく無い方のコーラ屋のニイちゃんを朝まで待った。

あー、嬉しく無い。
しかもウチが閉まってたからって配送とばしやがって。
引き継ぎってコトバ、シッテマスカ。

催促したらあっという間に来たので
無駄だった気のした待ち時間に後悔しながら
炎天下の中、某地方都市へ航空券を探しに出掛けてきた次第だ。


まあそんなこんなで
カードを作る為に頭ボーボーの写真を撮られたり
予想を遥かに下回った航空券の残数にびびりつつも
旅行代理店さんの手際の良さに気分を良くした私は
一路ファミレスへ向かった。

夕方の空いた時間。
客もちらほら。
お買い物帰りであろう主婦達。
コーヒー一杯で何時間ねばってきたのか想像もつかない
レポート作成中の大学生。

すると私からいくつかテーブルを隔てた席に
二十歳前後の女性2人と
やたらと声が郷ひろみにそっくりな男性1人が
楽し気に話をしていた。
楽し気に。男性だけが。


さりげなく話を聞いているとこの男性、
どうもあの男に似ている。
や、あの馬に。

馬女「えーだって別に普通じゃん」
馬男「え、え、え、何、何？
　　　じゃあナンだったら普通とかじゃ無いワケ？」

という、アレ。
そう、今JRAのCMで出ているあの馬男をそのまま
人にしたような男だったのだ。
そして女達もあの馬女と同じ臭いがしていた。

その事に気付いた私は吹き出しそうになるのを押さえ
「そうか、こうゆう輩は現実に存在するのか。」
と思っていた。

とりあえず面白そうなので
この男女の会話に聞き耳を立ててみる私だ。


男「えー？何？水戸？俺よく知ってるよ？」
女「へーそうなんだ。」
男「うんうん。だって俺行った事あるもん、3回ぐらい」

そうか。ずいぶん土地カンの良いヤツだ。
その後聞き取れない程の早さのやり取りの後。
女が言った言葉が耳に飛び込んできた。

女「…ねーねー…水戸って静岡じゃないよ？」
男「…え？…」

こっちが「え？」である。
そしてその数分後の会話。

男「ねーねーNHKドラマって見てる？」
女「えーあんまりー。」

ほう。話題の豊富なヤツだ。
どうやらNHKドラマの話で盛り上がっている様子である。
ヤツ一人で。

その話題の最後は”ちゅらさん”で締めくくられた。

男「そうそう、へー。え？じゃあちゅらさんて誰の事なの？」


そしてその後私の予想どうり
誰かの物真似をしていた男と彼女達は
会計をするべくレジへ向かった。

女「全部おごりだってー。」

彼等はどこで知り合い
どうしてこのファミレスに同席するに至ったのか
今日一日で一番頭に残ったのがこの疑問である。
そして私のこの世で一番のお気に入りだった
チョコブラウニーのレシピも変わってしまったようである。

な？
デニーズよ。


今日もきもち欄に「ウソコイは見ていてむかついた」
が無いので泣く泣く「ふつう」で。
これはねえよ。